’73RSルックを纏った’74年式 911S が入庫したと同時に嫁ぎ先が決まりました。
今回この車をご成約いただいたのは、つい先日ベージュのビッグバンパーをご成約いただいたばかりの Mさんです。
Mさんは以前から「73カレラRSのルックスがとにかく好き」という方で、当初はベージュのビッグバンパーをベースに、ナロールックへと仕立てていくプランで進める予定でした。
ところが、そんなタイミングで最初から73RSルックとして完成度の高い個体が出てきてしまい、「これは一度見ていただいた方がいいかもしれませんね」とこちらからご提案させていただきました。
結果として、ベージュのビッグバンパーは一旦キャンセルしていただき、このRSルックの911Sへと切り替えることに。
本来、当社では一度ご成約いただいた車両をキャンセルして別の車両へ切り替える、ということは行っておりません。
ただ今回は、まだベージュの車両の作業に着手していなかったこと、そして何より、あの個体が持つオリジナルの良さを崩してまでナロールック化してしまうのは少しもったいないのでは…?という想いもあり、かなりイレギュラーではありますが、今回に限ってこのようなご提案をさせていただきました。




73RSルックの911Sは、現車を見ていただいた瞬間にMさんにもすぐ気に入っていただいたのですが、実はひとつ大きな問題がありました。
それはエンジン制御。
本来Kジェトロの車両なのですが、なぜかHolley製のキャブレターに換装されており、正直なところエンジンの調子がまったく良くありません。
HolleyキャブはV8のアメ車向けに設計されたものだけに、このフラット6とは相性が合わず、多少調整してみたものの、試運転してもポルシェらしい走りどころか、まともに走ってくれない状態でした。
正直、今までのオーナーさんがどうやってこの車に乗っていたのか不思議なくらいです。
このままでは、Mさんに気持ちよく911を楽しんでいただくことはできません。
そこで今回は思い切って、このHolleyキャブは潔く撤去し、フルコン制御へ換装する方向で進めることにしました。

ボディや内装はしっかり作り込まれており、エンジン以外の機関やミッションにも特に問題はなさそうです。
あとはフルコンでエンジンをきちんと制御してあげれば、このRSルックの911Sは、見た目だけでなく走りも含めて“かなり面白い一台”に化けてくれるはずです。
少しお時間はいただきますが、その分きっちり仕上げますので、完成を楽しみにお待ちくださいね。