先日より販売させて頂いていた’71年式911T改 RSRルック3.0ですが、このたび嫁ぎ先が決まりました。
そして今回、この車の次のオーナーになって頂くのは、なんとまだ24歳のAさんです。
最近は若い方の車離れなんて言われることもありますが、24歳でポルシェ、それも空冷に憧れてご来店頂くという時点でなかなか筋金入りです。笑

Aさんが最初にご来店された時は、「ポルシェには乗りたいけど、まだどのモデルにするかは決め切れていない」という状態でした。
996や997あたりのMTかな?というイメージは持たれていたものの、詳しくお話を聞いていくと、本当は空冷ポルシェへの憧れがかなり強い様子。
きっかけは、お知り合いの930ターボの助手席に乗せてもらった時だったそうです。
あの独特のエンジン音や加速感、機械がそのまま動いているような感覚に衝撃を受け、「いつかは空冷に乗りたい」と思うようになったとのこと。
ただ、ご本人としては年齢的にも予算的にもさすがに空冷は厳しいだろうと思っていたようで、「現実的には水冷のMTかな・・・」という感じで考えていたそうです。
そこでまずはローンのご相談からスタート。
月々どのくらいまでなら無理なくお支払いできるのかをお聞きしたうえで、残価設定も前提にしながら、とにかくどのくらいまで予算を引き出せるのか一度審査をかけてみましょうということになりました。
結果としては、
「930に届くような届かないような・・・」
という非常に微妙なライン。
決して余裕がある状況ではありませんでしたが、それなら妥協して別の車を買うより、本当に欲しい空冷ポルシェを目指しましょうということで、予算内に収まりそうな930を探していくことになりました。

その後も何台か候補になりそうな930は出てきたのですが、なかなか予算に収まるものがありません。
状態が良ければ予算オーバー。
予算内に入りそうなものは内容に不安がある。
そんな感じで、なかなか話が前に進まない状況が続いていました。
そんな中、ボクの中でふとひらめいたことがありました。
そういえば先日から販売しているこの'71年式911T改 RSRルック3.0。
この車は外装をリペアした状態で販売する前提で考えていましたが、もしそのリペアを行わず現状のまま販売するとしたら・・・
「これ、Aさんの予算にちょうど収まるんじゃないか?」
と思ったのです。
しかもAさんは元々外装の状態にはそれほどこだわりがなく、「若いうちはとにかく乗りたい。長く乗りながら少しずつ自分で手を入れていきたい」という考え方。
それならむしろこの車との相性は抜群なんじゃないかと思い、早速ご連絡してみました。
すると返事は、
「ぜひお願いしたいです!」
とのこと。
早速ご来店頂き、現車を見て頂いたあと、ボクの運転で試乗も兼ねて横に乗ってもらいました。
すると・・・
やはりこの車は乗るとエグイ。笑
アクセルに対するビンビンのレスポンス。
軽い車体を前へ前へと押し出すトルク感。
そして回せばギュイーンと気持ちよく上まで吹け上がるパンチ力。
現代のポルシェとはまったく違う、機械感むき出しのフィーリングです。
Aさんにもその魅力はしっかり伝わったようで、その場でご成約頂くことになりました。

ちなみに外装についても、ご友人の塗装屋さんにかなりリーズナブルにお願いできそうとのことで、その点も非常に良いご縁だったと思います。
もちろん現状で完璧な車というわけではなく、機関面でいくつか手直しが必要な箇所もありますので、そのあたりはしっかりとこちらで整備を進めてから納車させて頂く予定です。
少しお時間は頂きますが、安心して楽しんで頂ける状態にしてお渡ししたいと思います。
それにしても人生というのは面白いものです。
Aさんは当初、「いつかはナローに乗れたらいいな」と思っていたそうですが、普通は996や997、あるいは930を経由して、何十年もかけて辿り着くような世界です。
それがまさかの24歳にして、いきなり最初のポルシェがナローベースのドンガラのRSRルック。
なかなか聞いたことがありません。笑
でも、こういう巡り合わせというのも車選びの醍醐味ですよね。
結果的に、予算やタイミング、そしてAさんの考え方まで含めて、この車が一番しっくり来る1台だったように思います。
Aさん、この度はありがとうございました。
納車までもう少しお時間を頂きますが、しっかり仕上げてお渡ししますので楽しみにお待ちください。
24歳で始まる空冷ポルシェライフ。
きっと一生忘れられないカーライフになると思います。笑