'95 993 Carrera 6MT ポーラシルバー

ポーラシルバーの993カレラ(6MT)の下回り

先日当社のお客様のお乗換えに伴う下取りで入庫したポーラシルバーの993カレラ(6MT)ですが、先日の記事で空冷ポルシェの走行距離(142,000km)とコンディションの良し悪しは全く関係ないというお話をさせて頂きました。

 

今日の記事ではこの993の機関のコンディションの見極めがしやすいエンジン下回りの画像を中心にご紹介したいと思います。

 

 

 

まずはエンジン真下からの画像をご覧下さい。

 

エンジンの状態なんて専門家じゃないからわかんないよといっしゃる方もいらっしゃるかも知れませんが、↑この画像を見てオイリーなベタベタした部分がない事くらいはおわかり頂けると思います。

 

空冷ポルシェの場合、オイルの漏れや滲みが多少あるのが当たり前ですし、この車のように乾いたサラッサラな状態というほうがかなりめずらしい部類に入ると思いますので、ちょっとでもオイル滲みがあったらダメな個体というつもりは毛頭ありませんが、ただここで言いたいのは簡単に治せるオイル漏れと、エンジンの分解等かなりの出費を覚悟しないと治せないようなオイル漏れがございますので、それを見極めてから空冷ポルシェを買わないとあとで痛い思いをしるかも知れませんよという事です。

 

具体的にいうとスルーボルトのOリングからオイル漏れがあると、それを治すにはエンジンの分解を伴う整備が必要になり、かなりの出費を要しますが(大抵の場合はどうせバラすんならOHしてしまおうという話にもなりがちです)、定番のタペットカバーやロッカーシャフト、チェーンカバー、前後クランクシール(ミッション側の場合はエンジンとミッションの両方降ろして分離しないと交換出来ませんが)等々のオイル漏れについてはエンジンをバラさなくても比較的容易に修理できてしまいます。

ですので重要なのはオイル漏れがあったとしても、それがエンジン分解を伴う整備をしないと治せないものなのかそうでないかを判断するのが重要ですし、実際、ウチで知らない空冷ポルシェを仕入れる際にはエンジンのオイル漏れ箇所の確認は必ず現車で行ないますし(自分の目で確認しないと心配すぎて仕入れられません💦)、それはボディの修復歴の有無と見極めるのと同じくらい最重要チェック項目として扱ってます。

 

 

で、、この車両のスルーボルトのOリングからのオイル漏れはどうかというともちろん漏れも滲みもありません。

 

スルーボルトのOリングからオイル漏れがあると、大体は左バンクのシリンダーケースとクランクケースの継ぎ目の部分からオイルが漏れているように見えます。

 

場所的には⇊この部分です。

 

 

ややこしいのは定番箇所のチェーンケースからオイルが漏れていても、そのオイルがクランクケースを伝ってケースの合わせ目まで垂れてきていると、クランクケースがベタベタなのでエンジン本体から漏れてきてるように見えてしまう事がありますので、見慣れていないと見極めが難しいかも知れません。

 

 

 

 

下回りの写真を撮るために車をリフトに上げたついでにいま装着されているビルシュタインの車庫調の画像をアップしておきます。

見た目もまだキレイでまだ新しいものが着いています。

 

 

 

 

あと、⇊フロア全体の画像です。

大きなキズやヘコミ等も無く、とてもキレイな下回りです。

古い車を探される際、下回りは結構見落としがちだと思いますが、みなさんはちゃんと下回りもチェックしてから車を選んでますか?

 

 

いかがでしょう?

 

空冷ポルシェの走行距離とコンディションの良し悪しは全く関係ないという事が少しは雰囲気としておわかりいただけましたでしょうか?

 

良い状態の993をお探しの方は是非この車両も候補に入れて頂けると幸いです。(^^)

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