納車整備中のＨさんの黒い９６４カレラ２（Ｔｉｐ）ですが、整備中にどうしても気になる事が発生しましたので思い切ってエンジンを降ろしてバラしてます。
当初はこんな重整備になる予定ではなかったのですが、前オーナーさんにお乗り頂いてた頃と比べてスルーボルトからのオイル漏れが進行しているようでしたので、思い切ってエンジンをバラしてスルーボルトのОリングを交換することにしました。
この車のエンジンは過去にОＨしているのですが、最近わかってきた事として純正のОＨキットに含まれているОリングにはあまり品質の良くないものが入っている事もあるようで、そのОリングを使ってエンジンを組んでしまうと数カ月～数年でまたオイル漏れが発生してしまいます。
今回のこのエンジンもどうやらそれに当てはまってるようでしたので、今回はОＨキットのОリングは使用せずに別注の対策品（社外品）でエンジンを組みなおします。
スルーボルトのОリングの交換は当然エンジンをバラさないと交換出来ませんので、Ｈさんとご相談した上でついでにカムやロッカーアームのブッシュ、バルブガイド（ＥＸ側）、ピストンリング等を予防交換しながらセミОＨの内容で組みなおさせて頂きます。
納車整備でこんなことまでやっていると当社としては当然赤字ですしメカニックの手も取られますので他の車の整備の進行具合にも影響が出てきてしまうのですが、それでもこういう部分をちゃんとした上で車をお渡しさせて頂かないと、結局お客様にも気持ちよく乗って頂けずにあとで後悔することになってしまいます。
実はこういった想定外の納車整備が発生する事、９６４だとよくある話です。
誤解や批判を恐れずに言うと、当社の場合、ポルシェの全モデルの中では９６４の納車整備が一番手間暇がかかったり想定外の整備が追加で必要になったりする事が多いです（ただしオリジナルのナロー等を除く）。
だから９６４は納車整備の段階で納得いくまでちゃんとした状態にしておかないと、あとで必ずと言っていい程不具合が発生してしまいます（ちゃんとした状態にしたつもりでも、それでも不具合が出てしまう事もあります）。
最近巷ではどんなコンディションの９６４であろうとも一律でかなり立派な値付けがされてしまってますが、これも相場なのである程度は仕方ないにしても、その中でもせめてコンディションの良い個体を吟味したり、納得のいく納車整備の内容で納車してもらう事が大事だと思います。
せっかく高い買い物をするんですからね！(^^)
すいません、余計な事書きすぎたかも知れません。。。💦