先週末は993ターボに少し乗ってみました。
「ポルシェターボ」って、ボクの年代にとってはスーパーカーブームの頃からの憧れの車。
あの頃のポルシェターボといえば早瀬左近の白い930ターボでしたが、
ポルシェの中でも一種のカリスマ的存在というか、キングオブポルシェですね。
その930ターボの流れを組む、空冷最後の進化系である993ターボが手元にやってきたかと思うと
それだけでゾクゾクしてしまいます。
スペックを見ると、KKK製K16タービンを2基搭載したM64/60の3.6Lユニットは、
パワーがナント408ps(55.0Kgm)!
これを可変トルクスプリット式のフルタイム4WDでパワーを余すことなく路面に伝え、
最高速度は290km/hを誇り、1−100mはナント4.5秒!
こんなバケモンみたいなポルシェなので、緊張感を持って運転に挑みました。(笑)
運転席に座ってみると、5連メーターにオルガンペダルという空冷系のいつもの見慣れた光景。
操作系は964に比べると、どれもこれも軽くなってます。
特にクラッチは993ターボ用にハイドロリックパワークラッチというサーボが付いてるので、
モンスターなポルシェとは思えないほど楽チンです。
動き出してみると「おや?」っと思うほどフツーに走り出します。
乗り心地も街乗りしている分にはマイルドで、この車がとんでもないお化けパワーを秘めている事なんて
すっかり忘れてしまうほどフツーに運転出来てしまいます。
高速に車を持ち込んで、思いっきりアクセルを踏んでみました。
ツインターボなのである程度予想はしてましたが、やはり964ターボのような「ドッカ〜ン!」とくる感じは皆無で、
まるでNAのような回転の上がり方ですが、その加速感は明らかにNAモデルとは別次元。
あっという間に周りの景色が後方へスッ飛んでいってしまいます。
ただ、スピード感はあまりなく、スピードメーターを見たらとんでもない速度が出てたので
慌ててアクセルを緩めましたが、車がチョー安定しているから精神的にはすごく安心感があります。
なんかこう、旅客機に乗って離陸する時に窓の外の滑走路の景色はとんでもない勢いで流れていくけど、
乗ってる乗客はボォ〜っと乗ってられるみたいな安心感というか・・・
表現がわかりにくいかも知れませんが、何せとんでもない速度域でも妙に平和です。
そういえばこの前、大阪から金沢まで一気乗りした時も、終始平和で全然疲れ知らずでした。
とんでもないボディ剛性と4WD、トレッドを広げられたマルチリンクの足、ツインターボの底知れぬパワーなど、
いくつかの好条件が非常に高いレベル重なり合わないと、こんな車は多分出来上がらないんだと思います。
さすが、ポルシェが本気で造った空冷最後のターボモデルですね!
正直言うと、ヒラリヒラリと車線を変更しながら軽やかに攻めるような走りはカレラの方に軍配が上がりますけど、
どの速度域からでも踏めばググッと恐ろしいほどの力強さで加速していき、しかも車が終始超安定しているという
高級クルーザー的なターボの味付けもこれはこれでものすごくよく、ボクのこれまでのポルシェ感があらためられました。
RR特有の、高速域でのフロント接地感のなさから来るおっかなびっくり感は一切ありませんから、
気負う事なしに、しかも安全にとんでもなく速く走る事が出来てしまうというのが993ターボであり、
近年のポルシェの目指してきた姿だと思います。
カリカリの930や964もいいけれど、こーゆー落ち着いた気分で乗れるポルシェもめっちゃイイですね。
これぞ世界最高峰の高級スポーツカーって感じで、「高級さ」がボクの964とは対極の位置関係にあって新鮮です。(笑)
今回993ターボに触れさせて頂いて、この車にハマる人達の気持ちがよくわかったような気がします。
そういうボクも、993ターボにかなりハマりかけてるかもです。(^^;
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