昨日は12H耐久のテストで茂木に行ったのですが、せっかくの機会でしたので販売車両の右ハンドルの987.2ケイマンS(PDK)を茂木に持ち込んでちょっと走らせてみました。(^^)
この車両はフルノーマルの車両なので、さすがにブレーキへの負担が大きい茂木ではノーマルのブレーキパッドだと完全にキャパオーバーで数週流すだけでパッドがフェードしてしまいましたが、それでもその数週走っただけでもこの車がいかに良く出来た車かがよーくわかりました。
ミッドシップレイアウトのポルシェがいかに凄いかについてはウチの986ボクスターから得た経験でとても良く理解は出来てるつもりなので、この後期型987ケイマンSでサーキットを走ってみるにあたっては、多分乗り味は986ボクスターの延長線上にあるものと想像しながらコースに入りました。
で、その結果ですが結論から言いますと、確かに986ボクスターと通じるミッドシップポルシェの凄さはあるとは感じましたが、その差は歴然としていてボクの想像をはるかに超えるものでした。
この車は7速PDKにオプションのスポーツクロノ+PASMが付いているのですが、PDKは敢えてマニュアルモードにはせずにSPORT+モードにして、PASMはハード側にして走ってみました。
まずウチの986ボクスターSと圧倒的に違うのはエンジンパワーとボディ剛性です。
排気量は986ボクスターSが3.2に対してケイマンSが3.4と200ccの差がありますが、コーナーの立ち上がりで感じるパワー感は200ccの差なんてものではなく、圧倒的にケイマンSのほうが速いです。
特に高回転の伸びが全く違っていて、体感的には997カレラSの3.8に近いと思いました。
後期型になって直噴になった3.4Lのエンジンが凄いのか、PDKが凄いのか、これにはちょっと驚きました。
それとコーナリングですが、さすがにミッドシップなだけにボクスターと同様にグイグイと曲がって行きますし、特に茂木のS字では911のRRよりも楽に曲がっていくのがよくわかります。
しかもボクスターとは違って屋根が付いてますからその分当然ボディ剛性も上がってるんでしょうけど、精神面においてもやはり屋根が付いてるという事での安心感は大きく、安心感が大きい分だけボクスターよりもグイグイ踏んでいけます。
あと、PDKなのでコーナー進入時にもクラッチ操作に気を取られずにブレーキングとハンドル操作に集中できるというのも大きいですよね。
それにしても、このケイマンSはフルノーマル車両なので足は当然ノーマルですし(PASMは付いてますが)、フルノーマルでこれだけのパフォーマンスがあるのは素直に凄いと思います。
ケイマンSはブレーキも最初っから容量が大きなものが付いてますので、あとはブレーキパッドだけレーシングなのものに換えてあげれば、このままでも十分サーキットでもイケるパフォーマンスを持っている車です。
正直、空冷ポルシェでここまでのパフォーマンスに仕立て上げるとすると、相当な大金を注ぎ込んでやらないと無理ですが、その事を考えるとこのケイマンSのコスパの高さは飛びぬけてると思います。
それともう一つ気付いた事ですが、ウチから茂木までの道中もこの車で自走したのですが、右ハンドルであることのメリットもあらためて強く感じました。
右ハンドルという事で何が一番いいと思ったかというと、片道200kmを往復しても体が全く疲れないという事です。
右ハンドルのポルシェがいかに疲れないかについては、ウチの春のツーリングの時に右Hの991カレラで参加させて頂いた時にもとても思った事ですが、ボクのようにある程度左ハンドルに慣れてる人間でも、日本の左側走行の道路を左ハンドルで走っているというだけで、無意識のうちに体が構えてしまっているのか、長距離であればあるほど知らず知らずのウチに疲れが溜まってきてしまうのだと思います。
これは特にこのケイマンSだからという事ではなく右ハンドルのポルシェ全体的に言えることだと思いますが、右ハンドルのメリットは想像以上に大きいです。