昨日は今年の営業最終日でしたが、1年以上前から製作させて頂いてたNさんの’81年式930SCベースのナロールックをようやく納車させて頂く事が出来ました。
Nさんは都内の都心にお住まいの方ですが、既に完全レストア済のフェラーリディーノやレストア中のTE27をお持ちのかなりハイレベルな旧車好きの方で、初めてポルシェを手に入れるにあたって当社が製作するナロールックをおととしにご注文頂きました。
それからベース車探しやボディ製作、エンジンOH、各機関仕上げ等々を進めてまいりましたが、途中でコロナの影響でパーツの入手に時間がかかってしまったり等々であっという間に2年近くの月日が経過してしまいました。(^^;
散々お待たせしてしまった挙句、納車ギリギリまで更に色々な問題に見舞われてしまいましたが、スタッフにも全力で頑張ってもらって、ようやく今年の最後の最後になんとか納車出来ると判断出来るような状態になりました。
この車両はベース車両をバラバラにして、手の付けてない場所がないくらい多岐に渡ってリフレッシュしながら仕上げていったナロールックです。
時間はかかってしまいましたが、見た目も中身もかなり面白い車に仕上がったと思います。
ほとんど全部をやりなおしましたので、外装も内装もエンジンルームもまるで新車みたいにピカピカに仕上がりましたが、この車の魅力はそれだけではなく、元来からSCが持つ魅力であるピックアップの良いKジェトロエンジンを生かして更にボディの軽量化を図ってあり、運転するとナローを超えるほど運転が楽しい車になりました。
更にはこのSCの年式のボディはナローとは違って錆や腐食に強いので、長く維持していきやすいのも大きな魅力です。
せっかくなので、今日はこの車の詳細についても少し触れさせて頂きますね。
外装はいつもナロールックの製作でご協力頂いているサンバーストさんと今回もコラボさせて頂きました。
まずはフロント周りですが、サンバースト製のナロールックのFRPボンネットとフェンダーエクステンションに海外製(社外品)のメッキホーングリル+ウインカー、バンパーはNさんのお好みで今回はSタイプバンパーを組み合わせました。
更にバンパーモールも取り付けて、よりクラシカルさを強調する雰囲気となりました。
フロントガラスは新品に交換した上で、モールはナロー用のメッキ入りのモールに換装しました。
全体の雰囲気に合わせてワイパーとウインドウウォッシャーノズルもメッキ製にしてあります。
サイドのウインドウサッシは元々黒だった930用のものをそのまま流用しながらメッキ加工致しました。
リアはサンバースト製の73RSルックのFRPバンパーにモールを組み合わせました。
マフラーは3本出しの手動音量切替式ですが、これもサンバーストさんでノーマルマフラーから加工して製作して頂きました。
リアフードは海外製のFRPモノです。
グリルは社外品のメッキ製のものを取り付けました。
Nさんのお好みで「PORSCHE」と「3.0」エンブレムを取り付けてあります。
内装は定番のRS仕様です。
RSカーペットに張り替えてから73RSレプリカシート、73RSドアパネルにMOMOのプロトティーポでクラシカルでかつレーシーな仕上がりです。
運転席のウインドウの開閉はクランクハンドルですが、助手席側のみパワーウインドウにしてあります。
ダッシュパネルはナロー用のアルミ製のトリムにして、よりナローに近い雰囲気にしてみました。(リアガラスの熱線等のスイッチ類やシガープラグは間に合わずまだついていません(^^;)
エンジンはフルオーバーホールした上で、見た目も楽しめる様に視覚的に目立つパーツは新品交換や塗装を行ってキレイに仕上げました。
外装の同色オールペンとともにエンジンルームも再塗装してあります。
外装はもちろん、エンジンルームもピカピカに仕上げたい方が最近かなり増えてますね。
当社でナロールックを製作する際、オーバーフェンダーにしてRSRの9J+11Jの超ディープリム仕様にしてしまうのがほとんどですが、今回はNさんのお好みで敢えてカレラフェンダーのまま15インチの7J+9Jアロイでコンパクトかつクラシカルな雰囲気の仕様で仕上げましたが、これがまたかえって新鮮で好き者にはたまらない佇まいだと思います。(^^)
Nさんにはやっと納車された早々誠に申し訳ありませんが、お正月休み中にナラシ運転をして頂き、ナラシが終わったらまた一旦点検の為ちょっとだけお預りさせて頂きますが、今後も一緒にこの車をブラッシュアップしながらより完成度を高めて行きましょうね。(^^)
この度は納車までに時間がかかってしまった事に対してただの一度もご不満をおっしゃらず、常に真摯で寛大なご対応だった事に心から感謝申し上げます。
初めての人生初めてのポルシェを当社お任せ頂きまして大変ありがとうございました!