'01 996GT3 ガーズレッド

赤いGT3が「訳アリ」な理由

昨日、一部の箇所だけチラリと画像をアップした赤いGT3ですが、全体像はこんな感じです。

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ホイールもガンメタのアドバンレーシング履いててカッコイイでしょ?(^^)

外装も内装もビカビカですよ。 

で、多分皆さんが気にされてる「訳アリ」の内容ですが、それは↓↓↓この場所になります。
 
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これだとわかりませんね。(笑)

もうすこし的を絞ると↓↓↓この場所になります。

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実はココを過去にぶつけた形跡が残ってるんですけど、キレイに直ってしまってますから、ココから見ても全くわかりませんよね?
つか、逆にわかったら凄いです。(笑)
では、こっちから見るとわかりますか?

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まだわかりませんよね?(^^)
では、これだとわかりますか?

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まだわかりませんよね?(笑)

もうそろそろ皆さんイラっとしてくる頃だと思いますので(笑)、ココをライトで照らして訳アリ部分をピンポイントで指すとこんな感じです。

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塗装の表面が割れているの、わかりますか?

こんなのどーってことないように見えますが(実際にどーってことないんですけど)、この場所は「インナーパネル」という場所で、中古車査定の規定と照らし合わせた場合、走行に影響が出ようが出まいがココに少しでも損傷があると、いわゆる「修復歴あり」という扱いになってしまいます。
このGT3の場合は、過去に左リアをオカマ掘られたか軽くぶつけるかして、左テールレンズを交換したりリアフェンダーを鈑金したり、リアバンパーも修理したりして、見た目上はキレイに直って全然わからなくなってしまってるものの、インナーパネルの塗装の割れだけはそのまま残ってしまってるようです。
そりゃそうですよね、こんな場所ライトで照らして奥まで覗き込んでみないと見えないような部分だから、フツーは気づいてたってそのままにしておくと思うんです。
ちなみに走りへの影響についても当然ありません。(念のためアライメントも計測済。全ての値が規定値に入ってます)

こんな軽微な「修復歴」があるというのが、この車を「訳アリ」とさせて頂いてる理由なんですけど、実はこの程度の「修復歴」は、査定士でさえも結構見落としてしまいがちなようで、
実際にこの車に付属していた証明書は「修復歴なし」と記述されてしまってます。(笑)

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ほらね。(笑)
でも、一応念のために言っておきますけど、この証明書はウチがいつも全車の査定をお願いしている日本自動車査定協会(JAAI)とは全く別の機関になります。
JAAIさんがこんなの見落とす訳はありませんから。(^^)

因みに、この車はオークションから仕入れてきたんですけど、その出品票も最初は4点(修復歴なし。結構キレイという評価)が付いてました。(笑)

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これだから、たとえ査定士が一台一台チェックしているオークションの車であったとしても、実際に現車を見にいかないとリアルなコンディションはわからないんです。。
よく、現地へ出向かず、ソコンに表示されてる出品票だけを見ながら車を買ったり売ったりしてる人がいますけど(特に地方の人はそっちのほうが多い?)、
毎週オークション会場に出向いてポルシェを何台も見てまわってるボクから言わせてもらうと、そんなギャンブル、ボクには怖すぎてとても出来ません。
それがお客様からご依頼頂いて探してる車ならなおさらの事です。

ちなみにボクがオークション会場でこの車のこの箇所(インナーパネル)を見つけて、オークション会場に対して再査定を依頼した時には、既に他のどなたかも同じように再査定の依頼をしていて評価点が変更になってましたので、ウチ以外でもきちんと車の状態をチェックしている業者さんは他にもいるようです(当たり前か!(笑))。

更に言わせて頂くと、毎週のようにボクはオークション会場に出向いて何台もポルシェのチェックをしてますけど、4点や4.5点(修復歴なしでとってもキレイという評価)の車の修復歴を見つけてしまい、それを会場側に再査定をしてもらった結果、R点(修復歴ありの評価)に変更になった事なんて今まで数えきれないほどあります。
 
多少余談になりますが、ポルシェの査定をする場合、査定する人が「高級なポルシェだから修復歴はないだろう」と思っているか、「走る事が前提のポルシェだから修復歴はあるだろう」と思っているかで、かなり査定のやり方や時間のかけ方が変わってくると思います。
ボクはポルシェをチェックする時、「ポルシェだから修復歴はあるのが当たり前」だと思いながらチェックしてます。(笑)
ここまでご説明してきてなんとな~く気が付いている方もいらっしゃると思いますけど、こんな車がもし修復歴がある事に誰も気が付かずどこかの業者さんが買ってしまい、更にそこが気が付かないままその車がそのまま店頭に並んでしまうと、当然の事ながらその店頭での表記は「修復歴なし」になってしまい、カーセンサーやGooにもそのように表示されます。
 
それを知らぬまま一般のお客様がその車を買ってしまい(当然、修復歴がない前提の普通の値段で)、何年も気が付かないまま乗った後でいざ車を買い替える時が来て、買い取り業者さん等に車を持ちこんで査定をしてもらうとあらビックリ!
「修復歴」が見つかってしまい、トーゼン希望の値段が付くはずもなく安く買い叩かれてしまったという悲しい事例は、それこそ星の数ほどあると思います。(そのお話についてはネタがたくさんあるので、またあらためて別の記事で書きますね)
というわけで、話を戻しますが、このGT3の「訳アリ」の内容は「修復歴アリ」という事です。
たとえその内容がどんなに軽微で走行に支障が無いものであったとしても、中古車査定の規定上「修復歴」に当てはまるものである以上、「修復歴あり」ときちんと表示して車を売るのが中古車を販売する者の当然の義務だと思います。
ただ、走行に支障のない程度の修復歴のあるポルシェに狙いを定めてお得な買い物をしようという割り切った買い方をされる方も沢山いらっしゃるのも事実ですし、ボク個人の意見を言わせて頂けるのであれば、ポルシェの場合は走行に影響が出ない程度の修復歴のある中古車も多いので、そういう買い方も全然アリだと思います。
 走りに支障が無いんだったら、いっその事割り切ってしまい「修復歴あり」の個体を普通より安く手に入れて、浮いた分を購入後のメンテや改造費に回してしまおうという考えかたがあってもいんではないかと思います。

ただ、一言で「修復歴」と言っても、走りに支障があるものから支障のないもの、大きなものから軽微なものまで多種多様ありますから、修復歴アリの車を選ぶときは必ず走りに支障のないものを選ぶ事です。(修復の大小ではありません)
過去に大きな事故を起こしてる車であっても、フレーム修正機等でキッチリ修理してあれば走りについては全く問題はありませんし、むしろフレーム修正機に載せる等、修理にお金をかけている車の場合は、他の箇所についてもキッチリやってある例も多く、修復歴は無いけどほったらかしにされてきたという車よりも逆にイイというケースもポルシェの場合はフツーにあります。(笑)
 
これはボクの友人が言ってた事ですが、「どうせポルシェって修復歴が見落とされてるのが多いんだから、自分が買うヤツは大丈夫なのか?って不安を持ちながら高く買うよりは、最初っから「修復歴アリ」って書いてあるのを安く買ったほうが、ある意味車の状態がハッキリしてるヤツを相応の値段で買える訳だし、逆に安心して買えるかも」って言ってました。
ボクはその考え方も一つの考え方としてアリだなって最近特にそう思います。

GT3は最近特に相場が高くなりすぎてあきらめてたという方や、本当は964や993あたりのMTを手に入れてサーキットを走りたいけど、維持費や最近の価格相場を考えると手が出ないという方などに、このGT3はまさに打って付けだと思います。

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