昨日、お客様がこの後期型996GT3の試乗にいらした際に少しこの車を動かしてみましたが、何度乗ってもやはり996GT3はすごい車だと再認識しました。

運転席に乗り込んでドアを閉めた際、防音材が省略された天井のちょうど頭の後ろ当たりで響く残響音や、メカノイズや微振動を伴った空冷っぽいアイドリング、ちょっと動かしただけでわかるしっかりとしていながら軽いボディ、4500回転あたりからハッキリと音質が変わるレーシングサウンド等、車から伝わってくるものひとつひとつが明らかに他のポルシェとは違います。

前にも書いたことがあるかも知れませんが、こういった車から伝わってくる感触ひとつひとつが993RSととてもよく似ていて、こういうところからも996GT3が空冷時代の歴代RSの延長線上にある存在だという事が窺えます。

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ご存知の通り996GT3は前期型と後期型がありますが、このGT3は後期型。

発売当時カタログモデルではなかった希少性やワイヤー式のスロットルを好んで前期型にこだわる方も中にはいらっしゃいますが、ボクは前期型からいくつもの点が改良された後期型はさらに魅力的だと思ってます。

360psから381psへのパワーアップ、レブリミットが400回転高められて8400回転まで回るエンジン、5速と6速のローギヤード化、フロントキャリパーの6ポッド化等々の改良点が有名ですが、実はミッションにオイルクーラーが設けられているというのが意外と知られていない事も多く、ボクはこれが一番大きな改良点だと個人的には思ってます。

前期型をサーキットで酷使した経験のある方ならご存知かと思いますが、意外とミッションの熱に対する耐久性が問題となり、ミッションOHされた方もいらっしゃると思います。

なので、前期型を選ぶ時はサーキット走行の有無やミッションOH歴の有無が個体選びの一つのポイントになるのですが、その点ミッションに熱対策が施された後期型は当然その点でも安心感は高まります。

元々耐久性の高いGT1クランクケースエンジンを積んだGT3ですので、エンジン本体は滅多に壊れませんが(ただし冷却水ホース抜けの対策やホースそのものの劣化に対する処置は必要です)、前期型での数少ないウイークポイントの一つだったサーキット使用においてのミッションの耐久性も改善されている後期型はさらに魅力が際立ちます。

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空冷のRS直系の感覚と、数多くの改善が施された後期型996GT3は、歴代ポルシェの中でも名車と言っていい存在だとボクは思います。

こんな名車でしかも走行距離が2.3万キロ弱のバリモンのこの個体は、まさに日本の宝です。

こんなお宝を手に出来る方は本当に幸せだと思います。(^^)