ただいま納車準備中のMさんの’73T改RSR3.6ですが、この車両特有の試みがいくつある事はこれまでにもご紹介してきました。

3.6Lエンジン+MOTEC制御やコイルオーバーサス、そして先日の記事でご紹介した964用純正オイルクーラーの装着などがそうですが、もう一つ新しい試みがあります。

それはタイヤです。
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いままでRSRルックに15インチの9J+11Jのアロイの組み合わせの時は、タイヤをピレリP7のコルサクラシックの235-45-15と285-40-15をウチでは選択してきましたが、リアの285についてはこれまでも安定供給されているとは言い難く、オーダーしてから供給されるまで常に何か月もかかってしまうような状況でした。

それでもRSRルックに合う15インチの極太タイヤで通常ルートで新品が買えるのは、ほぼこの銘柄しか選択の余地がなかったので、これまでは「新品が買えてるだけまだマシ」だと割り切って考えるしかなく、このサイズを使って頂いてるお客様には常時ストックを1セット持って頂いているような状況でした。

しかしながらとうとう今回、P7コルサクラシックの285サイズのメーカーからの供給がストップしてしまったとの情報が入り、いよいよ何か新しい方策を考えざるを得ない状況になり、縁あって横浜ゴムのクラシックタイヤの製品企画のご担当者さんにご相談したのがこの話の発端です。

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横浜ゴムさんではヒストリックカー用のタイズを取りそろえたクラシックタイヤの品ぞろえに注力されておられますが、クラシックポルシェ用に使えるタイヤとしては15インチではADVAN HF TypeD、16インチではA-008Pなどがあります。

ところが15インチのHF-Dのサイズは現状205/50/15、225/50/15しか存在せず、このサイズはカレラフェンダー用の7J+8Jのアロイ等ではピッタリくるものの、RSR用の11Jでは全く合いません。
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というわけで、P7コルサクラシックと同じ285サイズを作って欲しいとお願いしてみたところ、このサイズを製造するには製造ラインにかなりの設備投資をしないと難しいらしく、285サイズのHF TypeDのお話は実現する事はありませんでした(それでも一旦社に持ち帰って頂いてちゃんと検討して頂けた事にはとても感謝しています)。

で、この時に横浜ゴムさんから折衷案としてご提案頂いたのが255-45-15(フロントの9Jには225/50/15)サイズの使用です。
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255-45-15サイズのHF-Dは現状はラインナップには存在しませんが、来年夏ごろまでにはカタログモデルとして登場する予定があるそうで、そのサイズがもしこれまで世界的にRSRサイズとして利用されてきたP7コルサクラシックの代替えとして使える事が出来るのなら、横浜ゴムさんとしてもかなりの需要が期待出来るという事で、今回このMさんのRSRで試作品のタイヤを試して頂けるのなら履かせてみて頂けませんか?というのが横浜ゴムさんからの提案でした。
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それで履かせてみたところ⇊こういう感じになりました。
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リアの11Jに255を履かせるのは、かなりタイヤを引っ張った感じになってしまうのかなーって予想をしていましたけど、実際履かせてみると15インチだからサイドウォールの厚みがあるせいか、かなり自然な感じで履けました。

リアには20mm程度のスペーサーを噛ませてありますが、これだったら違和感はないと思います。(^^)
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HF TypeDは非対称のトレッドパターンがカッコ良くて、免許取り立ての10代の頃にとても憧れてたタイヤでしたが(その時はお金がなくて履けませんでした)、まさか50代になってからまたこのタイヤと出逢うような事になるとは思ってもみませんでした。

正式なリリースは来年になってからなので、普通に買えるようになるまでまだ少しだけ時間がかかってしまいますが、リリースされてしまえばスポーツラジアルとしての性能や安全性はもちろんの事、安定供給も期待出来るでしょうから今までのようにビクビクしながら1セット余分に持っておくような事もしなくて済みます!

これからはRSRサイズの11JにはHF TypeDでキマりですね!(^^)

それにしても今回ウチのような小さな車屋の意見を真摯に受け止め、本当に真面目にご協力頂いた横浜ゴムさんの企業姿勢には感服しました。

大変ありがとうございました!!