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あなたのポルシェは大丈夫ですか?

先日はポルシェを買うときに下回りのチェックをちゃんとしてから買ってますか?というお話をしましたが、今日はそれと同じくらい大切なチェック事項である「修復歴」について触れたいと思います。

こういう仕事をしていると、当然ながら日々沢山の台数のポルシェを見る機会がありますが、最近、愛車に修復歴がある事を知らずにポルシェにお乗りになっている方が多くいらっしゃいます。
以前にもブログの記事で書いた事がありますが、下取りや買取等で持ち込まれるポルシェのほとんどが「信頼出来るところで当たってない(事故はない)と説明を受けて買ってるので間違いなく修復歴は無いと思います」というご説明をオーナーさんから受けるのですが、実はその中の3分の1くらいは修復歴があったりしてます。
 こんな事書くとポルシェユーザーさんにとっては衝撃的かも知れませんが、それが現実なんです。
 
なぜそういう事が起こってしまうのかについては売り手の見落としによるもの、故意によるもの色々あって、そんな事例を話し出すと一晩中でも話せますし文章にすると本一冊くらいは出来てしまいそうな量になるのでここでは触れませんけど、現実問題として修復歴を持ったポルシェはかなりの割合で存在しているのは紛れもない事実です。
 
ただ、ポルシェの場合、フロントについてはトランクルームしかないので、少々事故による修理をしたところで他の車種より走りへの影響は出にくいですし、ましてやセレット等の修正機でキッチリ修理された車両などは、走りについては全く問題がないと言ってもいいと思います。
 
多少大雑把な表現を許して頂けるのであれば、アライメントが出てコーナーウェイトが取れていればポルシェはちゃんと走ってしまいます。
 
そこがポルシェの良い点でもあり、逆にややこしい点でもあるのです。

 

<良い点>
・走行に支障のない程度の修復歴である事の見極めが出来れば、あらかじめ修復歴がある事を納得し、それを割り切って乗る事が出来るのであれば相場よりも安くポルシェを購入し、且つ、ポルシェ本来の走りも思う存分に楽しむ事が出来る。

<ややこしい点>
・修復歴がある事を知らずに買ってしまう(買わされてしまう)事があり、そうなってしまうと、買うときは通常の価格で購入し、売却する時に修復歴が発覚し安く売却せざるを得ないケースが出てくる(大きな損をする)。

上記のうち当然後者は避けたいというのは当然の事ですし、通常の商取引では絶対にあってはならない事なのですが、恐ろしい事にこのような納得出来ない事例が何故か後を絶ちません。

そこで、こういう罠にハマってしまわないよう、ポルシェで1番多くて見落としやすい修復歴の事例を今日は一つご紹介します。

それはフロントのトランクの底(フロアパネル)の修復歴です。

フロアパネル修復歴
  ↑↑↑の画像の〇印の部分に鈑金跡があるのがわかりますでしょうか?

この車は多分事故を起こした訳ではなくて、縁石等に車をヒットさせてしまい下から突上げられたのだと思うのですが、その際にフロントパネルとフロアパネルの継ぎ目あたりを損傷してしまい、それを鈑金修理したようです。

車両の外側から見ると、↓↓↓この部分を突上げた時に起こるような損傷です。
フロアパネル修復歴2

下の画像は別の車のものですけど、ポルシェのフロントは低いからココに何らかの擦った跡があるのがほとんどですので、ココをぶつけるくらいはいかにも自分でもやってしまいそうですよね。

ご想像の通り、こんな部分をぶつけて多少凹ませてしまったくらいではポルシェの走行には影響はありません。
しかしながら、中古車査定の定義で言えばフロントパネルやフロアパネルを鈑金等で修理してしまうと「修復歴」になってしまいます。
逆に変な話ではありますが、ここを修理をしなかった場合はパネルがパックリ割れたりしている場合は別として修復歴にはなりません。
 
おかしいような気がしますよね?
 
でも、そんな話が納得できるかどうかは別として、中古車査定の定義って実はそういうところがあります。
もっと言ってしまえば、査定する機関や査定を実施する担当者によっても解釈に違いも出ますし修復歴の有無の判定も違ってくる事だってあります。
 
ですので、だれがどこからどう見たってハッキリとした修復歴のある車両は別として、この例のようなケースの場合は確かに「当たってない(事故はない)」と言われればそれも間違いではないのですが、中古車の価値を左右する外板価値減価や修復歴といった観点からすると「修復歴有り」と判断されてしまうので、そのつもりで購入しないと後で揉めたり嫌な気分になったりしないといけなくなります。
 
あくまでも今回のケースはほんの一例に過ぎませんので、他の部位における修復歴の確認等も含めたあらゆるケースにおいて車両の外板価値減価や修復歴の有無を担保できる有効な手段の一つとして、JAAI(日本自動車査定協会)等の第三者機関における査定と証明書の発行が挙げられます。

DSC04751

 正直、微妙な修復歴の判断などはウチを含めた車屋さんも人間である以上、見落としや見誤りする事もあり得ますので、第三者機関の証明書の有無が一つの拠り所になりますし、証明書が付いてる事で購入する時も購入した後も安心出来る事は間違いありません。

そんな事もあり、ガレージJが販売する車両は在庫車両や委託販売車両問わず、全ての車両でJAAIさんの査定を実施しており、車両状態確認証明書が付いてますが、これはお客様にとってみれば安心してポルシェをご購入頂く事が出来ますし、ガレージJにとってみれば万が一見落としがあって修復歴のある車両を誤って販売してしまわない為の防止策でもある訳です。

話が多少長くなってしまいましたが、ポルシェを購入する時は修復歴の有無がきちんと担保されている事を確認してから買う事を強くお勧めします。
 
せっかく楽しい買い物をするのですから、あとで揉めたり嫌な思いは絶対したくありませんもんね。(^^)

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