ウチにあるこの2台、性格は全く違うけど同じ年代の同じドイツ車です。
厳密に言うと、W124が最終の’95年式だから、ポルシェでいうところの’95年式は993になるのだけれど、
W124自体は’86年から生産されていたモデルだから、ポルシェでいうところの930や964と
年代的にはほとんどオーバーラップしているので、この2台はほぼ同じ時代の車と言えます。
パッと見、全然違うこの2台、性格やスタイルは全く異なるけれど、実は大きく共通している部分があります。
それは、メーカーが設計や生産の過程において「コスト削減」というファクターを取り入れる前の、
徹底的に車としての理想形を追い求めて設計された、いわゆる旧き良き時代の車であるという事です。
乗ってみて、その共通項をすぐに体感出来るのが、岩のようなボディ剛性です。
少し動かしてみただけで、ボディが全く歪まずに足だけがしなやかにストロークしているという事が
素人でもハッキリわかりますし、どれだけ車を振り回してみても、ボディはミシリとも言いません。
もちろん他にもこの年代のドイツ車の美点を挙げれていけばそれこそキリがありませんが、
このボディ剛性を手に入れるだけでも、この年代のドイツ車を伴侶にする価値はあると思います。
コスト削減や生産効率が重視されて設計された今の車には、絶対マネの出来ない芸当です。
これまで色々な車を経験してきて、もし「良かった車リスト」を作るとすれば、
そのリストの中に、絶対この2台は外せません。