今日はオークションの日だったので朝から会場に下見に行ってました。
今日も何人かのお客様にご依頼を頂き車を買いに行ったんですが、今回は全部買えませんでした。。。
スイマセン!(^^;
まあ、オークションですから買えない理由も色々ありますが1番多いのは、①車の程度の割に値段だけ異様にセリ上がっちゃって予算と合わなくなってしまったか、②実際に現車を見てみると、出品票には書いてなかった致命的な部分が新たに見つかってしまって見送る事になってしまったかです。
①についてはポルシェの場合、だんだんこれがフツーになってきてるのであまり驚かなくなってしまいましたが、問題は②のほうで、よくあるのがエンジンのOHをしないと直せないオイル漏れがあるケースと修復歴の見落としがあるケースです。
これがあるからポルシェを買うときは、たとえ査定士がチェックしているオークションの車両であっても現車確認しない事には心配で買えません。
オイル漏れについては、特に空冷ポルシェの出物についてはもはや年式的に漏れてないほうがおかしいくらいで、問題となるのは「どこから漏れているか」で、その見極めが重要です。
たとえばタペットカバーやチェーンカバーのパッキンあたりからだったら、いくらジャジャ漏れしていてもどうにでもなりますが、スルーボルトからのオイル漏れについてはたとえ微量で滲んでいる程度であっても見逃してしまうと命取りになりかねません。
しかしながらこの見極めについては非常に難しく、たとえばチェーンケースからのオイル漏れであってもオイルの雫がクランクケースの合わせ目を伝っていき、パッと見はスルーボルトから漏れているように見えてしまう事もありますし、それ以前の問題として、そもそもアンダーカバーが付いているのにどうやってオイル漏れの箇所を見分けるの?っていうのもあります(もちろん、ボクはアンダーカバーが付いてても見極められます)。
だからこそ、ポルシェの見立ては一般の方には到底難しく(というか無理です)、何百台もポルシェ専門的見立ててきた人間が行わないとかなり危険だと思います(他車種と見極め方が全く異なります)。
修復歴についてもポルシェの場合、他車種と見極め方が異なる部分があり、実はこれが百戦錬磨の査定士であっても見落としてしまいがちになる原因です。
今日も実は評価点4点(5点満点のうち4点なのでまあまあキレイ、修復歴もナシという評価)のポルシェを現車確認していたところ、またまた修復歴を見つけてしまいました。
会場の査定士に再度確認してもらったところ、評価点が4点⇒R点(修復歴あり)と訂正が入りましたが、こんなの全然めずらしい事ではありません(というか、毎回のように1台や2台は見つかります)。
こんな画像、普通の方にはなんのこっちゃらサッパリわからないと思いますが、でも実はそれが当たり前で、よはどポルシェの査定が慣れてる熟練者じゃないと、この画像の一体どこに違和感があるのか全くわからないと思います(かなりうまく直してあります)。
こういうポルシェがオークション会場から「4点」としてどこかの車屋さんに流れてしまい、それをそのまま「修復歴なし」として店頭に並べ、それに気が付くはずもなく一般の方が買ってしまって、何年か後に手放す時に査定の段階で修復歴が潜んでいる事が発覚し、安く買い叩かれてしまったなんて事、こんなの悲劇ですよね。
でもポルシェの場合はどうしても修復歴の見極めが他の車種と違う部分があったり、ポルシェを上手く修理してしまう熟練の鈑金屋さんが存在したりするので、たとえ誰も悪意を持っていなくても十分起こりうる事なんです。
だから怖いんですよー、中古のポルシェの購入は!
というわけで、毎回毎回現車確認をしっかりさせて頂いている関係上、ご依頼頂いてる方々の車を見つけてくるのも非常に時間がかかります。(汗)
でも、これも確実にイイ車両を選ぶ為の事ですので、焦らずにお待ち頂けると幸いです。(^^;