今年の春ごろ、はじめてこのナロールックを試乗した時にも記事にしましたけど、
このポルシェ、走りがとんでもなく楽しいです。
乗った瞬間、ちょっと動かしてみただけで、車重がメチャメチャ軽いって事がすぐにわかります。
その感覚は、ボクの964とは全く異質なもので、ポルシェというより軽四でも動かしてるかのような身軽さです。
そんな超軽量ボディに積まれた993のM64ユニットに一旦鞭を入れると・・・
そりゃーもう、とんでもない加速をして、すっ飛んで行きます。
1速2速は、レブリミットまで一瞬です。
公道では不用意な1速2速の全開は危険すぎます。
フツーの人ならアクセル全開してみても、自分の体がいきなりシートバックに叩きつけられるような加速Gにビックリして
思わずアクセルを戻してしまうと思います。
そのくらい、この加速は強烈です。
ボクの964も、軽量化にファイナル変更で以前に比べればかなり加速はよくなりましたけど、
この車の加速は全く異次元です。
こんなバケモンみたいな加速をするこのナロールックですが、
かといって決して街乗りしにくい訳ではなく、アクセルをラフに踏まないように気をつけてさえいれば、
超軽量ボディに鬼トルクの組み合わせで、低速ノロノロ運転でも超乗りやすいです。
このへんは、敢えてチューニングエンジンを積まず、993のノーマルエンジンをコンピュータやハーネスごと
移植した事による利点ですね。
街中では、1速でも2速でも3速でも4速でもどっからでも、踏めばグイグイ加速していきます。
驚いたのは、普通なら2速で走るような小さな曲がり角では、2速で曲がるより3速や4速で曲がったほうが
曲がりやすい事がよくあります。
2速だと駆動力がありすぎて、ラフなアクセルコントロールだとパワースライドしてしまう事があるからです。(^^;
峠では、そりゃーもう楽しいの一言。
2速でパワースライドを楽しみながら、アクセルコントロールで車を曲げる感覚が思う存分楽しめます。
個人的には、この車を一番楽しめるステージは、サーキットよりも峠だと思います。
足回りがストリートを念頭に置いたセッティングになっているので、サーキットだと若干柔らかすぎると思います。
でも、この車は元々ストリート用に造った車両ですので、サーキット用のガチガチの足を入れるよりは、
このくらいの適度な硬さのほうが正解だと思います。
ブレーキもメッチャ効きます。
フロントは928S4のデカキャリパー、リアは993カレラのデカキャリパーに加えて
マスターシリンダーの容量もバランスよく上げてあるので、ブレーキを踏めば踏んだだけキッチリ止まります。
ブレーキの利きがいいのは、ブレーキシステムそのものもいいものが奢られている事も勿論ですが、
軽量なボディによる事の恩恵がかなり効いています。
この車に乗ると、車で一番大切なのは、やっぱ車重だという事が思い知らされます。
走って楽しい、曲がって楽しい、止まって楽しい、観て楽しい・・・
そんでもって、ノーマルエンジンだから安心して乗れるなんて、この車、かなりの反則です。