この前の日曜日、996カレラで自宅→大黒PA→川崎→足立と、
首都高を中心にある程度まとまった距離をドライブする機会に恵まれました。
その時のインプレです。
まずは走り出してすぐに思うのは、「誰にでも運転できますね、コレ」って事。
この996はティプトロなんですけど、別に996のティプトロだけがイージーという訳ではなく、
964でも993でもポルシェのティプトロモデルは、左ハンドルさえ運転出来れば、
そのへんの奥さんを捕まえて来て運転させても、多分運転出来てしまいます。
それこそベンツやBMWの左ハンドルを運転するのと何ら変わりなく、
乗り心地もいいから車高が低い事以外はポルシェだからといって特にクセはありません。
ただし、それは街中でDレンジに放り込みっぱなしで運転した場合の話。
ティプトロのマニュアルモードを積極的に多用して、上まで引っ張りながら乗ると、
途端にポルシェらしい走りになります。
特に4,500回転から上は、クリーンなポルシェサウンドを背中越しに聞きながら
鋭いパンチで加速していきます。
首都高C2での高速コーナを少し攻めながら走ってみると、驚くほどのコーナリングスピードで
何も無かったかのようにフツーにクリアしてしまいます。
996に乗ると、こーゆー所が水冷になってからの現代版ポルシェの進化を見せ付けられる部分です。
964乗りのボクにとってみれば、993のマルチリンクになった時点で、
既にコーナリング性能は930や964とは全く別物に感じてしまうのですが、996は更にその上を行き、
しかも乗り心地はとても快適です。
挙動もスムーズなので、限界を超えて滑り出した時もパニックにならず少しのカウンターで
対処出来てしまう所も996の懐の深さを感じます。
まさに買い物から峠やサーキットまで、オールラウンドに使えてしまうのが996の大きな魅力です。
最近のポルシェって(とはいっても、この996でも’98モデルだから既に13年落ちですが・・・)、
扱いやすくて安全で快適に、しかも速く走れるような方向に振ってあるから、それを「進化」と捉えるか、
それとも「ポルシェらしく無くなった」と捉えるかは意見が分かれる所だとは思いますけど、
ボクは最近になって水冷にも触れる機会が多くなってから、素直にこれを「進化」と捉えるようになりました。
確かに空冷時代の「カエル顔」や「カミソリレスポンス」という、ポルシェ独特の伝統的な特徴は確かに薄まってしまったけど、
それでも車の基本的な造り込み方や、走りの根っこの部分は全く同じだと思います。
ナローから997まで、どれに乗っても「ポルシェはポルシェ」で、それぞれのモデルごとに
走りの味わいや見た目の雰囲気とか佇まい、メンテの頻度等の違いはあるものの、
根本的なベースとなる部分は一本筋が通っていて、どれも同じだと思います。
古くても新しくても、それぞれのモデルに魅力があるから、どのモデルが自分にとって一番合っているかを
選択するのはオーナーとなる人間の価値観や好みで判断すればよく、例えどれを選んだとしても
それぞれのモデルのポルシェの魅力は間違いなく堪能出来ると思います。
今回のこの996の次期オーナーさんは、ポルシェはもとより輸入車に乗るのが初めての方。
この方が996カレラのティプトロを選択するというは、まさにベストチョイスだと思います。
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