ウチは基本的に修復歴のない車を扱っており、それを客観的に担保する為にも
全ての車を日本自動車査協会にて鑑定をしてもらい、証明書を発行してもらってます。
それは個人の方から買い取らせて頂いたり委託販売形式でお預かりしている車はもちろんの事、
業者オークションで仕入れてきた車(オークション出品前に会場の査定士が査定済)であっても
同様に鑑定してもらい証明書を発行してもらってます。
何でイチイチこんな面倒くさくてコストもかかるような事をやってるのかというと、
世の中には実は修復歴があるのに修復歴がない前提で出回っている車がゴロゴロあるからです。
この手の話の事例については、ブログではあまり具体的な事は書けませんけど、
お店に遊びに来て頂いた方にはいつも具体例を赤裸々にお話させて頂いてますし、
この手の話についてはそれこそ一晩中でもしゃべっていられるくらいネタは豊富にあります(笑)。
それほど修復歴を偽って販売されてる車は、只今現在も店頭やネット上にゴロゴロ転がってますし、
素人が見たってまず気が付かないほど精巧に修復された車も多いので、
もしかすると修復歴が表に出ないまま廃車になっていってしまう事故車も多いのかも知れません。
では、修復歴のある車はいかなる場合も手を出すべきではないのでしょうか?
ボクはそうとは思いません。
ボクがこんな事書いてしまうと、日頃修復歴の有無に対してとてもシビアになってるのに
いつもと全然矛盾してるぢゃん!って思われるかも知れませんけど、ボク自身の考え方としては、
修復歴のある車を修復歴がないと思って(騙されて)高く買うのは絶対ダメだと思いますが、
修復歴のある車を修復歴があるという事を知った上で、それを割り切って安く買う分には全然OKだと思います。
特に走行に支障のない程度の修復歴であれば、走りを楽しむぶんには何も問題ないわけで、
しかもそれを安く買えるのであれば、とてもお買い得な買い方であるという考え方もあると思います。
たとえばポルシェの場合、そういうケースがあてはまる事がよくあります。
下の写真はボクの964のフロント周りですが、車の先端からストラットの位置までの長さは
結構距離があって、しかもFR車のようにココに重たいエンジンが載っかってる訳ではなく
ほとんど空洞になってるので、フロントがぶつかって損傷を受けても、
ストラットまで影響が出にくくなっています。
ボクの今までの経験からしますと、ストラットの付け根の部分に多少の歪みがあって、
ボクの今までの経験からしますと、ストラットの付け根の部分に多少の歪みがあって、
さらにAピラーまで少し歪んでしまっている場合であっても、
大抵のポルシェは4輪アライメントが取れてしまいます。
アライメントさえしっかり取れていれば、ほとんどの場合は走りに全く影響がない訳で、
逆に言えば修復歴の有無よりも、アライメントが取れているか否かのほうが、
車の走りを考えた場合、重要と言えるかも知れません。
よくよく考えてみると、実践で使われてきたカップカーなんて、
ほとんどの車がどこかしらぶつかっちゃってるので修復歴の有無で言えば
「修復歴あり」の場合がほとんどですが、そんな車でもちゃんとレースで戦ってますもんねぇ。
少し話が逸れてしまいますが、ポルシェの場合車高が低いので、フロントのフロア部分が
縁石等にぶつけやすく、7〜8割のポルシェは↓ココに擦り傷程度はあると思います。
ただ、ココをぶつけてしまったからと言って板金とか交換したりしてイジろうもんなら
ただ、ココをぶつけてしまったからと言って板金とか交換したりしてイジろうもんなら
その瞬間からその車は立派な「修復歴あり」になってしまいますので、これは要注意です。
こんな場所、走りには一切影響無いんですけどねぇ。。。
というわけで、修復歴があってもそれをちゃんと知っていて、それが安く買えるのであれば
その買い方は全然アリだと思います。
しかもその修復歴が走りに影響のないものであればなおさらの事で、
走りに影響があるものかどうかの判断については、アライメントが取れているかどうかが
ひとつの判断基準になると思います。
文章が長くなってしまったので最後に纏めますが、修復歴がない前提で売られている車は
本当に修復歴がないという事を客観的に証明されたものを買う事が重要なので、
その確認は疎かにしないで下さい。
信じられないかも知れませんけど、騙されたという事例は語りつくせないほどゴロゴロあります。
でも、修復歴がある車でも、それをちゃんと知った上で安く買うのであれば
それはそれで一つのイイ買い方だとボクは思います。