先日販売を開始させて頂いた右ハンドルの964カレラ2ですが、当初から「訳あり」だという事を申し上げてきておりますが、その内容を今日はアップさせて頂きます。
964だと良くありがちなのですが、アゴを擦ってます。
実はこれだけだと修復歴にはならないのですが(もう少しキズの位置が前寄りで、フロントパネルにも跨って少しでも凹みがあれば「修復歴」になります)、この車の場合、トランクの内側から鈑金修理してしまってる跡があります。
わかりますか?
⇊この部分です。
一見わかりにくいかも知れませんが、新車時の状態はこんなにコッテリとチッピングが施されていません。
しかも残念なことにフロアパネルとフロントパネルに跨る形で内側から「修復」してますので、日本の一般的な中古車の査定基準と照らし合わせると「修復歴あり」のカテゴリに区分されてしまいます。
もちろん事故をしている訳でもありませんし、車の走行に影響が出るようなフレームの損傷を負っている訳でもありませんが、査定基準は複数のパネルに跨ってる損傷や修復跡があると「修復歴あり」になってしまうんです。
よく「修復歴あり」=「事故車」と捉えられがちなのですが、実は事故車と修復歴とは別物なんです。
フロントに事故がある車の場合、そのほとんどがインサイドパネルやサイドメンバー、サイドメンバーとフロントパネルとの付け根等に損傷があるものですが、この車はそれらいずれの場所も新車時のままの状態を保っており、全く損傷や修復された跡は見られません。
事故がなく骨組みに影響がないので、当然走行に影響は出ません。
でも「修復歴あり」なんです。(笑)
納得できるかどうかは別として、空冷ポルシェの場合、フロントのアゴの部分が低いうえにフロントパネルとフロアパネルの接合部が下端の角にあるので、たとえばコンビニの駐車場に車を頭から突っ込んで車止めにアゴの部分をコツンとぶつけただけで、当たり所が悪いと「修復歴あり」という判定になってしまいます。
実際問題、この部分を擦ってしまっている空冷ポルシェのほうが多いのですが、厳密な事を言うと、フロアパネルに付いたキズが少しでもフロントパネルまで及んでいると修復歴になってしまいますから、そんなことを言い出すととても高い確率で空冷ポルシェが修復歴ありの車両になってしまいますので、オークション会場の査定士や販売店等の個々の判断によっては「修復歴なし」という形で判断されていて、それがそのまま店頭やネットで「修復歴なし」という表示で販売されている事も多いですし、この程度の損傷は車の走行に影響が出るものではありませんが、問題は買った時に「修復歴なし」と思って買ったものが、売るときになって別のお店に持って行ったら「修復歴あり」だと言われてしまい、期待してた値段で売れなかった時の事です。
これは金額の問題だけではなく、自分が長年修復歴なしだと思って乗ってたものが、実は修復歴があったと思うだけでこれは相当ショックですよね。
ですのでガレージJでは、このような「修復歴あり」とも「修復歴なし」とも取れるような車両については、常に辛めに「修復歴あり」という表示で販売するようにしてます。
だってせっかくウチでポルシェを買って頂いたお客様に、あとでガッカリする想いをさせたくありませんもんね。
というわけで、この右ハンドルの964は「修復歴あり」というつもりでご検討頂ければ幸いです。
もちろんそのぶんお安くしておりますので、気になる方はお早めにお電話でお問合せの程、よろしくお願い致します。(03-3855-1964 ガレージJ 本田まで)