このポルシェのオーナーは、964〜930〜74カレラまで乗り継いできた生粋のポルシェマニア(変態)です。(笑)
お父さんまでもが本物の’73RSや’92RSを所有するポルシェ一家で、
そんなオーナー氏が数々のポルシェを経験した上で自分なりに出した結論が
「ストリートカーの理想形を作りたい」だったそうです。
「ストリートカーの理想形」として目指したのは、とんでもなく楽しい上に
信頼性が高くて維持費も安い、燃費もいい、季節に関わらず始動性がイイ等々・・・
で、’05年にこの軽量な75年式の個体を個人売買で買い込み、外装・内装・足回り・ブレーキ・ミッション・エンジン等など
基本シャーシ以外は全て入れ換えて造り込んでいくわけですが、その過程で最終的に辿り着いたのが「993エンジン搭載」。
確かにチューニングエンジンでパワーを稼ぐよりも、ノーマルの新しい大排気量エンジンの方が当然信頼性は高いですもんね。
で、ココでミソになるのが何故敢えて993エンジンなのか?
同じM64の3.6Lなら比較的もっと安く手に入りやすい964の3.6Lでもよかったわけだし、
世間一般的には930に3.6Lをスワップするときは964エンジンが王道です。
しかし、オーナー氏は993エンジンで進化したピストンやコンロッドやバルブの軽量化、
強化されたクランクシャフト、エアフロのホットワイヤー化など、
多くの面で964エンジンよりも性能面で優れている事にこだわり、
敢えて手に入りにくくて、しかも964エンジンよりもスワップが面倒(工賃も割高)な993エンジンを
ノーマルのマネージメントシステムごとゴッソリ移植しました。
又、993エンジンから採用されている油圧バルブラッシュアダプターにより、
964までは定期的に必要だったタペット調整からも開放され、よりメンテナンスフリー化する事により
「ストリートカーの理想形」に一歩近付ける事が出来きたそうです。
ちなみにこのナロールックに搭載した993エンジンは’95年式のいわゆる「993前期モノ」です。
993後期の「バリオラム」ではエンジン単体重量が7kg重くなる事を嫌ったそうです。
こだわりですね。。。