'92 964 C2改ナロールック 3.8L バーガンディレッド

Sさんの964ナロールックの詳細

以前から製作を進めてきた大阪のSさんのバーガンディレッドの964ナロールックが完成しました。

 

この車両もかなり手間をかけて作った力作になりますので、今日は多少詳しく仕様についてご紹介したいと思います。(^^)

 

 

この車両もベースが964のナロールックという事で、かなりボディの手直しを行いながら製作しています。

 

一見、ナローも964も形は似てるので、チャチャっと前後のバンパーとかフードとかウインカーとかナローっぽいのに交換すればある程度簡単に出来ちゃうんじゃないの?って思われてる方もいらっしゃるかも知れませんが、そんな簡単な話ではありません。(笑)

 

もちろん、そういう風に簡単に作ってるナロールックも探せば存在するのかも知れませんが、そういうナロールックは全体的にポテっとした形をしている、違和感プンプンな雰囲気のナロールックだと思います。

 

以前にも書いたかも知れませんが、964ベースでナロールックを作る場合に考慮すべきところは大まかには以下の事になります(細かい点まで挙げたらキリがありませんので省略します)。

 

・964のフロントバンパー内のオイルクーラーとエアコンコンデンサーをどう収めるか(そのままでは小さなナローのバンパーには物理的に収まらない)。

・サイドシルのパネルの造形が全く違うのをどう処理するか(964のサイドパネルを付けたままではナローの前後パンパーの厚みとバランスが取れずポテっとしたシルエットになってしまう)。
・前後と左右の窓枠をどうやってメッキにするか(964は黒、ナローはメッキ風のシルバー)。
・リアから見た時にリアバンパー下からタイコがチラリと見えるRSR2本出しマフラーにしたいが、それをどうやって収めるか(964のエンジンがナローよりリアにオフセットしているので物理的にバンパー内に収まらない)。

 

このような問題があるので通常はバンパーやサイドパネルやマフラーを新規で作るのですが(窓枠だけはどうにもなりませんのでシルバーに塗装したりしますが)、そうやって964のボディに合わせてパーツを作ってしまうと、どうしてもシルエット的に964寄りの違和感のあるナロールックになってしまいます。

 

そこで当社で964ベースでナロールックを作る場合は、前後バンパーとマフラーはナローそのもののパーツを使用する事にこだわりを持ち、それらのパーツを取り付けるために、逆に964のボディ側を大幅に切ったり貼ったりの大改造をしています(だから時間がかかります)。

 

前置きが長くなってしまいましたが、まずはフロントセクションです。

 

ボディのフロント周りを大掛かりな鈑金作業を施した上で、今回は911R用のバンパーをRSRフェンダーに合わせて左右を膨らませ、リップスポイラーをワンオフで製作して取り付けています。

 

リップスポイラーを取り付けるのは、これを着けないとどうしてもオイルクーラーとACコンデンサが物理的に収まらず、バンパーの下から顔を出してしまうからです。

 

メッキエアダクトやウインカー類、ボンネットはナロー用をそのままボディを加工しながら取り付けてます。

 

 

ヘッドライトは今回オーナーのSさんのご意向もあり、当社オリジナルのLEDヘッドライト(メッキバージョン)を装着しました。

 

スモールを点けた時にはイカリングが光るのですが、このライトでクラシカルなナロースタイルにモダンさが融合した964ナロールック独特の雰囲気が強調されています。

 

 

メッキ化されたガラス枠(これもナロー用の窓枠ですが、964のガラスのままでは取付出来ません)に合わせてワイパー類もナロー前期用のメッキのものに交換しました。

 

 

次にサイド周りです。

 

まずフェンダーが特徴的ですが、これまではターボ用のフェンダーを流用しておりましたが今回からフロントがRSRそのものの形に変更しました。

 

同じオーバーフェンダーでもターボとRSRは形が違うのですが、違いがわかりますでしょうか?

 

 

サイドシルはナローと同じような形になるように鈑金加工を施し、ナローと同じようにオイルライン(左側はACガスのライン)を剥き出しにしました。

 

この部分は他社が通常行っているようにオイルラインを隠すような薄めのサイドパネルを作って取り付けるという手もあるのですが、そうするとどうしてもドア下のポッテリ感が拭えなくなるので、ウチの場合は敢えてオイルラインを剥き出しにするようなサイドシルの加工を行い、真横からみたシルエットに違和感の無いように仕上げてます。

 

 

サイドの窓枠は今回も特殊な加工を施して、白っぽいナロー純正のメッキ風に仕上げてあります。

 

この部分はメッキ化するとピカピカになりすぎて逆に違和感が出てしまったり、そもそもこんなパーツをメッキ処理してくれるような工場が国内ではほとんど見つけることが出来なかったりで(見つかっても相当高額になるはずです)、ナロールックを製作する上での難所の一つだと思います。

 

 

続いてリアセクションです。

 

リアガラスの窓枠も当然メッキのナロー用に変更し(これも964のガラスでは通常付けられません)、リアフードはナローのFRPの軽量タイプにナロー前期用のメッキのグリル、水冷用を流用したメッキエンブレムにナロー用バンパーです。

 

バンパーガードは今回ナロー用のメッキのものを加工して取り付けました。

 

 

次にマフラーですが、これはナロー用のRSRタイプのものを取り付けました。

 

通常では964エンジン+ナローバンパーの組み合わせではこのマフラーは物理的に収まらないので、ボディ側もマフラー側も大幅に加工を施しながらなんとか取り付けられています。

 

ちなみに触媒は残っており保安基準は満たしてますのでこのまま車検は通ります。

 

マフラーエンドがマフラーから飛び出してるので車検的にアウトに見えるかも知れませんが、ギリギリ車検が通る長さに調整してあります。

 

音は程よいボリュームで低音のジェントルなサウンドです。

 

 

内装についてはほぼノーマルです。

 

ワンオフで製作した千鳥格子柄のシートに合わせて、ワンポイントでキーシリンダ周りも千鳥格子です。(^^)

ドアの内張は通常のRSタイプでは無く、紐が長い73RS風にアレンジされたものを装着しています。

 

ステアリングだけ妙にレーシーな雰囲気ですが、これはオーナーのSさんが歴代の愛車で使用している991カップ用を今回この車にも流用した為です。(^^)

 

オーディオはPCCMでSさんが手配したものを送って頂き取り付けておきました。

 

 

最後になりましたが、ホイールはもちろんガレージJオリジナルの「Traum」です。

 

この車に合わせて専用オフセットで製作させて頂きました。

 

 

まだまだ書ききれない事が山ほどあるのですが、かなり随所にわたってこだわって製作されている964ナロールックです。

 

Sさんへの引き渡しは6月に東京で行われるイベントにSさんがこの車で参加してからになるのでもうしばらくこのままお預りする形になります。

 

964ナロールックの製作をお考えの方で現車をご覧になりたい方は、ご予約頂ければ見学する事も可能ですのでご希望の方は個別にお電話でお問合せ下さい。

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