先日、当社のお客様がお乗りになっていた964ナロールックを売却したいとのご相談を頂き、お預かりさせて頂きました。
ところが、こちらのブログでご紹介する間もなく、当社の常連のお客様であるMさんのところへ嫁いでいくことが決まりました。
実はこちらの車両、今から4年ほど前に当社で製作を開始し、約2年という長い歳月をかけて仕上げた、非常に思い入れのある1台です。
完成後は当社のお客様にお納めさせて頂き、それから約2年間、大切にお乗り頂いておりました。
しかし今回、そのお客様が多数所有されている愛車を一度整理、いわゆる「断捨離」されることになり、当社にご相談を頂きました。


さて、この964ナロールックですが、当社で製作するナロールックとしては少数派となる、ノーマルフェンダーを残したナローボディ仕様となっています。
当社のナロールックというと、ワイドフェンダーを装着した迫力のあるスタイルをイメージされる方も多いと思いますが、こちらはあえてノーマルフェンダーの美しいラインを活かした、シンプルで非常に上品な仕上がりです。
現在のオリーブグリーンメタリックというボディカラーも、このクラシカルなスタイルによく似合っていますね。


そして、この車両の魅力は外観だけではありません。
エンジンは製作時にフルオーバーホールを行い、内部はもちろん、外観までピカピカに仕上げています。
さらに6連スロットルを装着し、MoTeCによるエンジンマネージメントを組み合わせることで、アクセル操作に瞬時に反応するビンビンのレスポンスを実現しています。
リアフードを開けると目に飛び込んでくる6連スロットルの迫力もなかなかのものですが、何よりこのエンジンの気持ち良さは実際に走らせてこそ分かるものです。
ここまで手間とコストをかけて製作されたエンジンですから、正直、このエンジンだけでも相当な価値があると思います。

もちろん、内装にも一切手抜きはありません。
室内のカーペットは全て新しく貼り換え、シートにはクラシカルなペピタ柄のレカロLXを2脚装着。
さらにダッシュボードまで新品に交換するなど、細かな部分まで徹底的に手を入れています。
クラシカルな見た目と現代的な走行性能を両立させた、まさに当社ならではのレストモッドと言える1台ですね。

さて、そんなこちらの車両ですが、今回ご購入頂いたMさんとのお話がまた面白いんです。
Mさんは現在、SWBのナローと992.1GT3RSという、何とも羨ましい組み合わせのポルシェを所有されています。
しかし、どうやらMさんは最新のポルシェよりも、やはり古いポルシェの方がお好きなようで、なんと今回の964が当社にやってくる直前に、
「GT3RSを手放して、レストモッドを1台作りたい」
というご相談を頂いたばかりだったんです。
992GT3RSといえば、現代のポルシェが持つ技術の粋を集めた究極の1台ですが、それでも古いポルシェにしかない魅力というものがあるんですよね。
そんなお話を頂いていたまさにそのタイミングで、今回の964ナロールックが当社に戻ってくることになったんです。
こんな偶然もあるものなんですね!
早速Mさんにこちらの車両をご覧頂いたところ、まさにご自身が乗りたいと思っていたクルマにピッタリだったようで、その場ですぐにご成約頂けることになりました。
2年もの歳月をかけて製作した車両が再び当社に戻り、こうして次のオーナー様とのご縁が生まれるというのは、製作した側としても本当に嬉しいものです。

ただし、Mさんからひとつだけご注文がありました。
それは、ボディカラーを渋くくすんだベージュグレーのような色に塗り替えたい! というものです。
現在のオリーブグリーンメタリックも非常に雰囲気の良い色で、個人的にも大好きなカラーなのですが、確かにこのナローボディには、そういった少し古めかしい色合いもバッチリ似合うと思います。
派手さを抑えた、どこか昔のヨーロッパ車を思わせるような渋いカラーに仕上がれば、また今とは全く違った魅力を持つ1台になりそうですね。
ということで、現在当社で進めている964ナロールックのデモカー製作は急遽一旦中断!
まずはこちらの車両のオールペイントを先に行い、Mさんのご希望のカラーに仕上げてから納車させて頂くことになりました。
せっかくここまで手を入れて製作したクルマですから、今回のカラーチェンジによってどんな雰囲気に生まれ変わるのか、ボク自身も今からとても楽しみにしています。
完成した際には、またこちらのブログでもご紹介させて頂きたいと思います。
Mさん、この度も当社からご購入頂きまして誠にありがとうございます。
ご期待に添えるよう、今回のオールペイントもしっかりと仕上げさせて頂きますので、完成まで楽しみにしていてください!
そして今回、大切にお乗り頂いていた車両を当社にお任せ頂いた前オーナー様にも、心より感謝申し上げます。
この度は大変ありがとうございました!