おとといの日曜日は天気が良かったのでポルシェに初乗りするつもりだったんですが、
隣の県まで行く用事が出来てしまったのでW124で向かいました。
行きは敢えて下道を選び、帰りは高速で戻ってじっくりとトータル4時間。
1代目の時も含めて、これだけじっくりW124に乗ったのはこれが始めてです。
W124に乗るたびにまず最初に感動するのがドアの閉まる音。
「ドスン」という、いかにも剛性感のある音とともに
耳をよーく澄ますと「キン」という金属的な甲高い音がします。
この「キン」と聴こえる音は、ポルシェのドアを閉める時の音と似ていて、
外部と室内を分厚い遮断壁で隔離させられたような雰囲気があり、
外部と遮断されたこの密室でこれから運転に集中するんだという気にさせられます。
この「ドスン」や「キン」はボディ側の剛性が高く、かつ、ドアそのものの強度や建てつけの良さも然る事ながら
ヒンジやキャッチなどもしっかりしてないと絶対に出せない、この時代のドイツ車独特のものだと思います。
密室空間の中でキーを捻り、W124の重いアクセルをグッと踏み込むと、
強靭なボディ剛性からくる、何やらとても頑丈な鉄の塊の中にでもいるような安心感に包まれます。
ボディ剛性の高さが感じられるのは、大きめの段差を超えた時に特にそう感じます。
ボディは全く歪みもきしみもせず、サスペンションだけがきっちりとストロークしているという感覚です。
こんな感覚って、きっとW124に乗ったことがある人でないと全くわからないと思いますが、
こういう車の基本的な所をきっちり造り込んであるな〜と思わせられる車ってお目にかかれるものでもないですし、
これを感じられるだけでも十分W124に乗る価値があると思います。
このボディのしっかり感は高速道路に乗ると更に顕著に現れます。
速度を上げれば上げるほど、道路の継ぎ目にもボディは全く微動だにせず、
サスだけがストロークしながら路面に吸い付くように走ります。
タイヤのグリップ力で路面をとらえるのではなく、しっかりしたボディと、そこにしっかり据え付けられた足で
路面をとらえていくような・・・そんな感覚です。
この高速での安定感は同じ時代に造られたポルシェ(964)の比ではありません。
ズッシリした感覚で、たとえオーバー200kmの世界でもドライバーに安心感とゆとりを常に感じさせながら、
目的地まであっという間に辿り着いてしまう乗り物。
それがW124なんだと思います。
生産中止からやがて13年に差し掛かろうとしているこのW124が、
今でも「最後のメルセデス」と絶賛され、世界中に沢山のマニアが存在するのは、
こんな所も理由の一つなのかも知れません。