先日、東京に行ったとき、ついでに横浜のオークション会場まで足を伸ばしてました。
事前にネットで2台程狙いを定めていたのですが、2台とも下見の段階でパス!
求めていたコンディションとはかけ離れていてガッカリでした。
で、そんときに近くに置いてあってとんでもないオーラを放っていたのがこの車両。
言わずと知れたメルセデスの伝説の名車、W124の500E(ポルシェライン)です。
パッと見は他のW124系とほぼ同一、詳しくない方から見れば、
ちょっとフェンダーの広いEクラスにした見えません。
ただこの車はフロントマスクが後期の500E仕様に変更されていて精悍に見えますね。
この500Eの製造工程は、まず、シャシーはメルセデスの工場で生産、塗装された後、陸送されてポルシェの工場へ。
そこではエンジンと足回りを組みつけられ、再度メルセデスの工場へ戻されてから残りの工程を済ませたとか。
この生産工程のため、日産12台前後しか生産できなかったそうです。
ポルシェでの生産ラインは959と共通。メルセデスではSLの生産ラインと共通。
これだけでも両社の力の入れようがわかるというものです。
シャシーはポルシェが担当して大幅に改修。サイズの大きくなった排気系を収めるために
フロアトンネルを拡大し、SLの足回りやビルシュタインのダンパーなどを納めるために
大幅に強化されたこのシャシーは、ほかのW124とはまるで別物。
当然、それを支える制動力も向上を求められ、ブレンボのキャリパーが標準搭載されました。
同じくポルシェが架装を担当したエンジンは500SL/SL500と同じ5000ccの119型。
鬼のように分厚いトルクの強心臓です。
ポルシェとメルセデスの共同生産なんて、まさに夢のコラボですね。
こんな高い車、買えもしないのに何故か現車を念入りにチェックしてしまいましたが、
走行は12万キロオーバーだったにも関わらず、メンテをちゃんと受けてきた車のせいか
パリッとした車でした。
まあ、W124にとって12万キロなんてまだまだこれからですが。
キーを捻ると、いかにもトルクが太そうなサウンドでアイドリングし始め、
ブリッピングするとセダンとは思えないレスポンスで、
ビンビンとタコメーターの針が跳ね上がります。
いいですねぇ〜、コレ。
未だに500Eのファンが数多く存在する理由が少しわかったような気がします。
W124は元々好きな車なんですが、500Eは特にいいですね。
相場はまだまだ高くて、予算的にとても手の出せる車ではありませんが、
一度は手に入れてみたいと思わされる車がまた一台増えてしまいました。