先日からめっちゃ楽しませてもらってるルポGTI。
生産が打ち切られた今でも根強い人気が継続しており、中古車市場でもマニアックな値動きとも言える
高値安定の相場と聞きます。
日本に導入されたのが2003年〜2006年のみとなっており、
その「希少性」ももちろん影響しているんでしょうけど、
人気の理由はそれだけではないという事が乗ってからやっとわかりました。
今日はその人気の理由について、インプレも含めて書いてみたいと思います。
外観は見たとおり小さくてかわいいルックスで、特に丸目のつぶらな瞳が憎めないファニーフェイスです。(^^)
ただ、その佇まいはどこかドイツ車特有の硬質感が漂っていて、
更に若干張りが加えられたオーバーフェンダーや、GTI専用のバンパーやスポイラー類から
タダモノではないゾという雰囲気も伝わってきます。
この、国産車には存在しないドイツ車特有の雰囲気って、一体何なんでしょうね。(^^)
同じような大きさのヴィッツやフィットには微塵も感じられない、一種独特の雰囲気です。
で、室内に入ってみます。
乗り込んだ瞬間、目に飛び込んでくるのはアルミの淵があしらわれたメーター周り。
夜間はブルーのイルミネーションが光り、コンパクトカーとは思えない高級感があります。
拍子抜けするほど軽いクラッチを踏んでシフトをローに入れると、「コクッ」と入ります。
いかにも最近の車らしく、コクッコクッとシフトが入り(本当にコクって音がします)、
とても剛性感のあるシフトフィーリングです。
ステアリングはズッシリしており、ロック・トゥ・ロックは少なくとてもクイック。
アイドリング音がとても太く、いかにもトルクがありそうな音なので、
冗談のつもりで試しにポルシェのようにアイドリング発進してみたところ、
難なく発進出来てしまいました。。
車重が軽い(カタログ値:1,030kg、実測値は1トン未満とも言われる)事も影響してるんでしょうけど、
これは凄いですよね!
1,600ccでこんなに低速トルクがモリモリのエンジン、、はじめて経験しました。
アイドリング発進後、1速でフル加速してみると・・・
一瞬で吹け切ってしまいました。。(^^;
慌ててギアを2速に放り込んで更にフル加速してみると・・・
これも一瞬で吹け切ってしまいます。(笑)
以降、3速→4速と繋いでもあまり回転数が落ちませんね。
街中でも、常に3,000回転以上をキープしている感じです。
めちゃめちゃローギアードで、しかも・・・クロスしています。。
フツーの車の3速が、この車でいうところの4速ですね。
5速まではチョイ乗りでもすぐに入ってしまいます。
このギア比、まるでレーシングカーです。
本当にこのまんますぐにでもサーキットに持ち込んでしまいたくなりますね。(^^)
しかも絶妙なのは、このエンジンの一番美味しいところが3千〜4.5千あたりなんですが、
常にそのパワーバンドに乗るように、ちゃんとギア比と各ギアの?がりが設計されています。
しかもエンジンレスポンスがいい事との相乗効果もあって、
ヒール&トゥ時におけるシフトダウンも、フォンフォン!って面白いほど上手くキマリます!
フォルクスワーゲンの開発陣ってスゴイですね!
めちゃめちゃ時間を掛けて、エンジンとミッションの特性を熟考された跡が窺えます。
次に高速へ持ち込んでみます。
するとボディ剛性の高さが際立ち、車格がひと回りも、ふた回りも大きなクルマに乗っている感がします。
高速コーナーではロールは若干許すものの、トレッド幅が広いこともあって挙動の乱れはほとんどありません。
特に優れているのが直進安定性。
同クラスの国産車とはまるで比較にならないくらいにいいです。
150km/hを超える領域でも全くバタつく事もなく、超が付くくらいとても安定してます。
こういう所、さすがドイツ車ですね!
正直言って実際に高速を走ってみるまでは、ボディが小さいし、ホイールベースも短いから、
直進安定性は全然期待してませんでしたが、寸分隙のないバシッとした走りを終始披露してくれました。
これなら長距離移動でも全然疲れないと思います。
まさに小さなロングツアラーといった感じですね。
このルポ君、サイズは全長3525mm×全幅1640mm×全高1475mm。
全長は兄貴分にあたるポロより約200mm短く、マーチやヴィッツよりさらに短い!
輸入車のなかでもかなり小さい部類に入り、国産のリッターカークラスはもとより、
ボディサイズだけで検討するなら軽自動車も比較対象になってくるようなサイズですが、、
実際に乗ってみると、いわゆる一般的な「コンパクトカー」とは全く別物だという事に気付かされます。
本当は軽くて小さい車に乗りたいと思っていても、国産コンパクトカーだとどうしても安っぽく見えてしまうし、
「男の見栄」の関係上、コンパクトカーを敬遠してしまうケースもあるんではないでしょうか?(笑)
でもこのルポGTIは、決してその辺の単なる安っぽいコンパクトカーと一緒ではありません。
走る上で必要のない無駄なデカさをそぎ落とし、かつ、走る為に必要となる骨太な骨格や筋力のバランスを
緻密に計算しつくされた上で造られた「高性能スポーツカー」だと思います。
「GTI」の冠が付いてるからには、かなり走りの次元が高い車であろう事は、
乗る前からある程度予測はしていましたが、
これほどドイツ車特有の骨太感や硬質感を味わえる車だという事は想像もしてませんでした。
最近ルポに接する中で、今でもルポGTIにマニアックなほど拘っている根強いファンが
たくさん存在する理由がハッキリわかったような気がします。