'01 996GT3CUP

996GT3カップのインプレ

少し前に996カップで首都高を走ってみましたので、そんときのインプレです。

コースは足立ベース近くの千住新橋ICでC2に乗り、江北JCTからS1で東北道方面に向かって

川口JCTで外環を三郷方面に向かい、三郷JCTから6号経由でまたC2に戻って千住新橋まで

戻るというルートで、この日は空いてたのでかなりのハイペースで走る事が出来ました。
まずは運転席へ。

車に乗り込むこの瞬間からコップカーはフツーの車とは全く違います。

まず、ドアはFRP+ハメ殺しのアクリルになっていて、めちゃめちゃ軽いです。
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ちなみに本物のレーシングカーなので、ドアロックは付いてません。(笑)

FRPだけど建て付けがよくて、しっかりと閉まるこの造りの良さは、

さすが「ポルシェ純正」です。
で、この軽〜いドアを開けると、超ごついサイドバーが通せんぼしてます。
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これを体を折り曲げながらヨッコイショって跨ぐと、やっと運転席に辿り着けます。

運転席に座ったら、脱着式のステアリングを取り付けます。
で、運転席は↓こんな感じ。
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ココはまさに男の仕事場です。

当然、本物のレーシングカーだから、雰囲気がフツーの車とは全く異なります。

メッチャいいっすよ!コレ!

普段ガンガン仕事で頑張った男が、週末の息抜きに異次元の空間へトリップするにはもってこいです。

ココに座った瞬間から頭ん中が真っ白になり、このマシンを操縦する事以外、

余計な思考を寄せ付けません。
キルスイッチをONにし、スタートボタンを押すと、意外とあっさりエンジンが目覚めます。

フルコンで完璧に制御されているのでアイドリングも至って安定してます。

ただ、エンジン音と排気音とミッションノイズの音量がタダモノではありません。

少し暖気してからアクセルをちょっとだけ煽ってやると、「フォンフォン!」って感じで

異様なくらい敏感にエンジンが吹けます。

この車は6スロ+フルコンだから、ノーマルのカップカーとは比べようもないほどのレスポンスです。

これはまるでキャブの空冷ポルシェみたいです。

ん〜、たまんねぇ〜!

こうやって空吹かししているだけでも脳ミソが耳から出てきそうで、めっちゃヤバすぎます。(^^)
クラッチを繋いでみると、メタルの割りに意外とあっさり車が動き出します。

以前ウチにあったツインプレートが入ってたGT3CSや、ウチのじゅんのすけ号なんかと比べると

半クラは全然ラクチンだし、たやすくスタート出来ます。
車が動き出すと、その瞬間からこの車の軽さが体感できます。

ハンドルをククッと切ると、クイックイッと車体が反応します。

この感覚は、GT3のストリートやクラブスポーツとは全く別物です。

むしろ以前ウチに来た、軽量化された930SCに感覚的には近いです。
通りに出て、思いっきりアクセルを踏んでみます。

1速2速は一瞬で8000回転に到達し、「ギャーン!」というけたたましいミッションノイズと

排気音を伴って、とんでもない加速で飛んでいきます。

ただ、ボディが岩のように固くて車の動きもめちゃくちゃ安定してるので、

空冷ポルシェだと全身に力が入ってしまいそうなとんでもない速度域でも恐怖を感じる事はありません。

ベタベタのシャコタンの割りに足がよく動くので、信じられないかもしれませんが、

一般道でも想像出来ないくらいに乗り心地はイイです。
首都高に乗ってみると、そこから先は、も〜刺激的すぎます。

加速するのもヒラリヒラリとレーンチェンジするのも、ガツーンと減速するのもまさに自由自在。

ラインを見定めて、ヒール&トゥで減速しながらギリギリの状態をキープしてコーナーに突入し、

軽くカウンターを当てながら全開でコーナリングしてみると、これがまた限界が高い!

足がガチガチのじゅんのすけ号だと、とっくに吹っ飛んでしまいそうな速度域でも

このカップは軽〜くコーナーをすり抜けてしまいます。

首都高の道路継ぎ目も、めちゃめちゃ足がしなやかに動いて段差を吸収してくれるから、

じゅんのすけ号だとアクセルを緩めてしまいそうなコーナーでも、全然踏みっぱでイケてしまいます。

本当にイイ足って、こういう足なんだと思い知らされますね。

それと凄いのは、ただでさえボディ剛性が高いポルシェに、更にこれでもかっ!ってくらいに

ロールゲージでガチガチにボディが固められているので、路面からの情報や車の挙動が

全てダイレクトに伝わってきます。

これはレーシングカーならではですね。

他の車では絶対に同じ感覚は味わえません。
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更にこのカップは単に速いだけではなく、エンジンのレスポンスがビンビンだから、

ヒール&トゥの時なんかのブリッピングがまた楽しい〜♪

短いストロークでカチッカチッと入るシフトと、カミソリ的なエンジンレスポンスが

絶妙にタイミングが合うから、リズムに乗りながらシフトダウンしていけます。

こんなの、コーナーのたんびに気持ち良すぎてマジでイッてしまいそうです。(笑)
それから高めにセットされたシフトノブの位置も絶妙で、操作しやすくてイイですね。

室内にこだまするノイズに包まれながらシフトダウンを繰り返し、

車の挙動や路面から伝わってくる情報をダイレクトに感じながら操るこの感覚は、

「運転」というよりは、まさに「操縦」です。

これを一度味わってしまうと、麻酔が効いたように洗脳されてしまいます。

個人的にはこんな車でサーキットなんかを走ってしまおうもんなら、

借金しようがどんな手使おうが、後先考えずに何が何でもこの車を手に入れたく

なってしまいそうです。

それくらい麻酔が強烈でヤバイ車です(笑)
この車に乗った感覚は、文章でいくら書き表そうとしてもお伝えするのは絶対にムリで、

どんな比喩を使っても表現できないほど、乗った瞬間から強烈に五感が刺激されます。

この刺激は、カップに乗ったことがある人でないと、絶対に理解不能だと思います。

外装や内装を眺めても、操作系を触っても、運転してみても、エンジン音を聞いても、

排気ガスを嗅いでも・・・全てがとんでもなく強烈なこの刺激は、

本物のレーシングカーであるがゆえのインパクトで、これだけでもこの車を所有する価値は

十分すぎるほどあると思います。

ポルシェの本物のレーシングカーを所有しているという満足感と、

ひとたび走り出せば、普段の生活とは全く異次元の世界にトリップできるこんな車を

手にする事が出来るのは、環境的に恵まれたごく一部の人に限られると思いますが、

こういう究極の大人のオモチャを手元に置いておける人は、本当に幸せ者だと思います。

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