外装をお化粧直ししてキレイになったGT3ルックのパワーアップエディションですが、
この車はご存じの通り320ps仕様の25台限定車なんですけど、せっかくの希少車なので、
出来るだけその価値を損なわないよう、これまで内外装のお化粧直しを進めてきました。
そしたら見た目がめちゃめちゃキレイになってきたら、今度は中身もキレイにしてカンペキなコンディションまで
持っていきたくなってきました。(^^)
走行距離は117,000kmとそこそこ走ってますが、ポルシェのコンディションの良し悪しに
走行距離はあまり関係ないとは言うものの、この個体に関してはエンジンが少々お疲れ気味かなと
思わざるを得ない場面もいくつかあったので、思い切ってエンジンオーバーホールに踏み切りたいと思います。
内外装はめちゃめちゃキレイだし足回りは新品入れたので、あとはエンジンと、ついでにクラッチもOHしてやれば
それこそほぼカンペキなコンディションのパワーアップエディションが出来上がると思います。
それに、エンジンオーバーホールって空冷だと結構当たり前にやってますけど、
996の場合、OHやったなんて話はほとんど聞いたことがなく(エンジンASSY交換ならありますが)、
996のOHを実際にやってるショップさんもほとんど存在しない(つか、新しい事への取り組みは
効率が悪いので避けてる)というのが現実だと思います。
そのあたりの実情を、いろんなショップさんと話をしたところ、エンジンOHするには専用の工具が必要になるのと(結構高い)、
996用のテスターやメンテナンスマニュアルも持ってない所が多く、それにOHしないといけない状態になるエンジンの場合、
構造的にシリンダーそのものにもクラックが入ってしまって水と油が混ざってしまってるケースも多く、
そこまでイッてしまうとシリンダー交換も必要で(これだけで50万前後)、そうなるとわざわざOHするよりも、
中古エンジンでも買ってきてほう積み換えてしまったほうが結果的に安く済んでしまうので、
お金も手間も掛かるエンジンOHという選択肢を選ばずに、エンジン乗せ換えてしまうというケースがほとんどだという事です。
この話を聞いた時、「なるほど」と思ったと同時に、では、タイミング的にエンジンが見つからなかった場合はどうなるんだろう?
と思うと同時に、今後、巷に走ってる996のエンジンもますます経年劣化が進んで、
エンジンOHが必要となる個体がどんどん増えて行ったときには一体どうなってしまうんだろうと
不安と疑問を抱かざるを得ませんでした。
これは今のうちになんとかしないと!
それにウチ自体も、JTModeを中心に996をどんどんこの世に送り出しているという立場上、
996のエンジンOHへの道を今のうちに開拓して体制を整えておかなければいけないと考えましたので、
今回、ウチの在庫車両の996(パワーアップエディション)を題材にエンジンオーバーホールを試みてみて、
空冷エンジンをOHする時と比べてテクニカルな問題やコストの比較、部品調達の可否等、
じっくり検証してみたいと思います。
多分ですけどこんな物好きな事、多分ウチがやらないとどこもやらないと思いますし、
それに996に関しては常に先駆者でありたいという想いもあるのでちょっと思い切ってやってみます。(^^)
ちょっと生意気な事を言わせて頂くと、ウチが先頭に立ってそういう試みをする事によって、
すでに996にお乗りの方やこれから購入される方の安心につながり、
ひいては水冷ポルシェの世界がもっともっと盛り上がっていくきっかけの一つにでもなれば、
日本のポルシェの業界全体の元気にもつながっていくんではないかと考えます。
ですけど正直、ウチのような資金力のないチンケな車屋がこんな試みをするのは、財政的に本当に厳しいのですが、
もし今回の事がきっかけでウチが経営難に陥ってしまったら、みなさんウチから車を買って支援して下さいネ。(笑)