昨日、348の試乗に来てくださった355乗りの方のご好意により
F355スパイダーのステアリングを握る機会を頂きましたので、
その感想を。
まずはスタイリングですが、これはもう最高です!
ボク個人的にはフェラーリの中で、いや、全市販車の中で
最高傑作の中の一台だと思います。
348より洗練されていて、サイズは348とほぼ一緒なはずなんですけど
特にリアから見ると、より低くよりワイドに見えます。
今回見たのはスパイダーだったので、なおさらそう見えたのかも知れません。
で、運転席に腰を下ろすと、348がタンレザーで全体的に明るい雰囲気なのに対し
このスパイダーの内装はブラックだったせいもあってか、全体的に締まった印象です。
メーター周りは348に似てますが、文字盤のデザインが違うせいか、
より現代的なコックピットに見えます。
ドラポジは348とほぼ同じで、ポルシェとは違い足を前に若干放り出すような感じで
レーシングカーを連想させます。
運転した印象は昨日の記事でも少し触れましたが、348とは形は似てても
中身は全くの別物です。
348の場合はペダル類やステアリング、シフトなど操作系が全てズッシリ重く、
両手両足を踏ん張りながら車をねじ伏せるように運転するイメージですが、
355の方はあっさりと運転できてしまいます。
パワステも軽くシフトも348よりショートで国産車みたいにスコスコ入ります。
マニュアル車を運転できる人なら女性でも簡単に運転できてしまうんじゃないでしょうか。
でも、サーキットではこの方が速く走れると思います。
走り出してみると、348と同様、超低速から強大なトルクが感じられ、
アイドリング発進が出来ます。
このへんはポルシェと似てて、ボク個人的にはこの低速のトルク感は好きです。
高回転まで回してみると、若干348とは違う印象を持ちました。
スムーズに回転していって吹けがいいのは348と同様ですが、
微妙に回り方が違います。
この違いをどう表現していいのか難しいですが、348の方が回転の上昇の仕方に
ドラマがある感じといったらいいんでしょうか。。
355のエンジンはスムーズであっという間に吹け切ってしまうんです。
これは5速と6速の違いにより、355は少しギアがクロスしてるせいもあって
そのへんが影響しているのかも知れませんが、355はギアチェンジが
結構忙しかったです。
一言で言うなら348は古典的で硬派なレーシングカーを操るイメージで
355の方は、現代的で洗練されたツーリングカーを操るイメージだと感じました。
348と355は1世代しか違わないモデルですが、この間の境界線は大きいです。
フェラーリV8モデルの古いモデルと現代版のモデルとの境界線は
この348と355の間にきっとあるんだと思います。
ポルシェで言えば、930と964との間に大きな境界線がありますが、
それと全く同じような印象を持ちました。
そう、348はポルシェで言えば930、355は964か993なんです。
この355のオーナーさんがおっしゃってましたが、
最近、355に乗りなれてしまった人達が、より強い刺激を求めて
348もしくはそれ以前のモデルに乗り換えるケースがよくあるそうです。
ポルシェでも996GT3に乗ってる人が空冷に移るケースはよくありますし、
993の人がナローや930に乗り換えるケースがありますが、
きっと同じような心理なんだと思います。
この方の場合は、355スパイダーに348の増車を検討されてます。
355スパイダーの超ウルトラカッコイイスタイリングと
オープンフェラーリの何者にも換えがたい気持ちよさも手元に置いておきたいし、
348の刺激的なドライビングフィールも手に入れたい。。
今回この2台を乗り比べる機会を頂いて、その気持ちがよ〜くわかりました!
是非この348、買ってください、期待してま〜す♪(笑)